リクエストとは

 どうなってるの? その2

野球のルールは難しくてよくわからないけれど、観戦するときに知っているともっと野球がおもしろくなりそうなことってありますよね。ことばは良く耳にするのだけれど、くわしいことまではわからない。ということを調べてみようと思います。

 

今回は、リクエストについて調べてみました。

 そもそもリクエストとは?

リクエストという言葉を2018年のシーズンからよく聞きますが、そもそもリクエストとは何なのでしょうか。リクエストをするとどんなことが行われるのでしょう。

 

リクエストとは2018年から導入された制度で、審判の判定に異議がある際に監督が映像による検証を求めることをいいます。

 

2019年4月21日の中日vsヤクルトの試合で、アウトであるプレーがセーフ判定される場面がありました。映像で確認してみると塁審がプレーを見ていないのにも関わらず判定しているように見えます。これに対し中日監督から審判に抗議後、リクエスト要求になったような場面がありました。が、そもそもプレーに対して抗議をした場合はリクエストを要求できないというルールがあるそうで、この試合では審判にこのことを説明された監督は抗議をせずにリクエストを要求したという経緯があるようです。(*4)

 どんなときにリクエストできる?

2018年制度開始時は、ボール・ストライクの判定、ハーフスイング、自打球、インフィールドフライ、塁審よりも前方のファール、ボーク、守備妨害・走塁妨害か否かの判定はリクエストの対象外で、これ以外の判定に関してリクエストが可能です。

 

2019年からはリクエストの適用プレーが変更され、本塁での衝突プレー(コリジョン(**))や併殺阻止の危険なスライディング、頭部へのデッドボールなど危険球の確認もリクエストの対象となりました。(*2)

 

リクエスト後、審判によるリプレイ検証により出た判定に対しては、異議を唱えることはできません。異議を唱えた場合、監督は退場とされます。

 

(**) コリジョンルールでは以下のことを禁じています。(概略)

◆得点しようとしているランナーが走路妨害していない捕手や野手に接触しようとしたり、避けられたにも関わらず最初から接触しようと走路を外れることを禁じる。

◆ボールを保持していない捕手が本塁へ向かっている走者の走路を妨害する行為を禁じる。

 1試合中に何回でもリクエストできる?

判定に異議を唱えられるのならば、怪しいと感じた判定に対して何回でもリクエストできるといいですね。でも、両チームが何回もリクエストの権利を行使すると、その都度、試合が中断され、試合時間がとても長くなりそうです。そもそもリクエストの回数に制限はあるのでしょうか。

 

答えはYESです。

各チーム、1試合中に2回まで、延長になった場合はさらに1回、リクエストの権利を行使できます。リクエストした場合に判定が覆らない場合はリクエストの権利が1回分減少しますが、判定が覆った場合には権利は減少しません。もともと2回の権利があった場合、判定が覆ったら権利は2回のままで、リクエストは成功となります。(*3)

 手で四角く作るのは決まり?

リクエストを行使するときは、監督が指で四角をつくることが合図とされています。リクエストを受けた審判は、5分以内にリプレイ検証をしなければなりません。リプレイ検証に使用する映像は、テレビ中継の映像が使用されます。

 リクエスト中のBGMってどこも一緒?

リクエスト時の審判によるリプレイ検証中、球場ではバックスクリーンにリクエストされたプレーの映像がいろいろな角度から流れます。リプレイ検証を待つ間、球場で観戦している人たちもその映像を見て、審判さながらジャッジで盛り上がります。(テレビ中継でも映像は流れますね。。)

 

その際にBGMが流れるのですが、これがさらに高揚感をアップします。

ちなみに、東京ヤクルトスワローズ主催試合(明治神宮球場)の時はガリレオの主題歌(vs. ~知覚と快楽の螺旋~)が流れます。ちなみに神宮球場でのBGMは2018年から変わっていません。BGMはホーム球場により異なっているようです。

球場に観戦に行った際、リクエストになったときはリプレイ映像とともにBGMにも注目してみてください。自分も試合に参加しているようで、たのしいですよ。

 

今回は、リクエストに関して調べてみました。

出典元
(*1) 日刊スポーツ 2017/11/14 来季導入「リクエスト」1試合2回失敗まで行使可能
   https://www.nikkansports.com/baseball/news/201711140000083.html
(*2) 朝日新聞デジタル 2019/1/22 危険な走塁などもリクエスト対象に プロ野球、今季から
   https://www.asahi.com/articles/ASM1Q61F1M1QUTQP01M.html
(*2)スポニチ 2019/1/23 今年から「リクエスト」対象拡大!危険プレーやフェンス際の打球なども適用に
   https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/01/23/kiji/20190122s00001173301000c.html
(*3)出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』野球のビデオ判定
   https://ja.wikipedia.org/wiki/野球のビデオ判定
(**)出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』衝突ルール
   https://ja.wikipedia.org/wiki/衝突ルール
(*4)東海テレビ
   http://tokai-tv.com/tokainews/article.php?i=81475&date=20190422