投手の決まり事とは
どうなってるの? その20
Create:2020/04/15 Update:2020/04/22
セットポジションについて調べていたら・・結構投手には決まり事がありました。。
投げる前準備や投げるまでの時間制限、etc・・。
今回は公式野球規則に定められている投手のいろいろな規則について見てみました。
投手に関する規則
前回取り上げた投球姿勢(どうなってるの?その19)の補足と、投球姿勢以外の規則を見ていきます。
正規の投球姿勢 5.07(a) の補足
正規の投球姿勢にはワインドアップポジションとセットポジションの2つがあり、どちらも随時、用いることができるとされています。
ワインドアップポジションとセットポジションについては『どうなってるの? その19』をご覧ください。
◆投球姿勢
投球時は投球動作を開始したら中断や変更をせず、投球を完了しなければならないとされています。
ここでいう中断と変更とはどのような状態をいうのでしょうか。
- 中断とは、投手が投球動作を起こしてから途中でやめてしまったり、投球動作中に一時停止することをいいます。
- 変更とは、ワインドアップポジションからセットポジションまたはその逆に投球姿勢を移行したり、打者への投球動作から塁への送球(牽制)動作に変えることをいいます。
ワインドアップポジション、セットポジションに区別なく、軸足を投手板に触れた状態で両手でボールを保持した投手が、投手板から足を外すときは必ず両手でボールを持ったままでなければなりません。また、投手板から軸足を外した後は必ず両手を離して身体の両側におろし、改めて軸足を投手板に触れなければなりません。
◆ワインドアップポジション
軸足が投手板に触れた状態で、身体の前方で両手でボールを保持すればワインドアップポジションをとったものと見なされます。
ワインドアップポジションにおいては、軸足は投手板に触れていなければなりませんが、軸足でない方の足の位置は投手板の上でも、投手板の前でも、後ろでも、側方でもかまいません。
投手が打者に投球するための投球に関連する動作をして、身体の前方で両手を合わせたら投球する以外は許されません。牽制しようと塁に踏み出して送球することも、投手板をはずすこともできません。違反した場合はボークとなります。
◆セットポジション
打者に面して立ち、軸足を投手板に触れ、軸足でない方の足を投手板の前方に置き、身体の前方で両手でボールを持って完全に動作を停止したときにセットポジションをとったものと見なされます。
セットポジションの場合、準備動作としてストレッチを行うことができます。ストレッチとは腕を頭上または体の前方に伸ばす行為を言います。ストレッチを行ったら必ずセットポジションをとらなければならず、ストレッチ後、投球する前には身体の前方で両手でボールを保持し、完全に静止しなければなりません。
審判員はこれを厳重に監視し、投手が完全な静止を怠った場合にはボークを宣言します。
セットポジションをとるにあたり、投手は投手板に触れてから投球するまでに、ボールを両手で保持したことを明らかにしなければなりません。このとき身体の前面であればどこで保持してもかまいません。両手でボールを保持して停止した後は保持した箇所を移動させてはならず、完全に身体の動作を停止し、首以外は動かしてはなりません。
軸足でない方の足は投手板の真横に踏み出さない限り、前方のどの方向に踏み出しても自由です。が、ワインドアップポジションのように、1歩後方に引き、その後1歩前へ踏み出すことは許されていません。
塁に走者がいるとき、投手はセットポジションを取ってからでもプレイの目的であれば投手板を外すことができます。この時は軸足は必ず投手板の後方へ外さなければならず、前方、側方に外すことはできません。
投手が投手板を外すと打者に投球はできませんが、走者がいる塁にはステップせずスナップだけで送球することも、送球の真似をすることも許されます。
準備投球 5.07(b)
投手は各イニングの始めから登板する際、もしくは他の投手を救援する際に、捕手を相手に準備投球ができます。この間はプレイは停止されます。
準備投球の球数や時間に関しては、各リーグで独自に制限できるようです。
突然の事故などでウォームアップする機会を得ずに急遽、登板する投手に対しては、球審が必要と思われる数の投球を許してもよいとされています。
投手の遅延行為 5.07(c)
塁に走者がいない場合、投手はボールを受けた後、12秒以内に打者に投球しなければなりません。これに違反し試合を長引かせた場合、球審はボールを宣告します。
12秒は、投手がボールを所持し打者がバッターボックスに入り投手に面した時から始まり、投手の手からボールが離れたときまでの時間が計測されます。
この規則は試合をスピードアップするために定められたものです。
審判員は、投球を受けた捕手は速やかに投手に返球すること、これを受けた投手は直ちに投手板を踏んで投球位置につくこと を強調し、明らかに引き延ばしがあった場合には球審はボール宣告します。
塁に送球 5.07(d)
投手が準備動作を起こしてからでも打者への投球動作を起こすまでであれば、いつでも塁に送球することができます。この際、それに先立って送球しようとする塁の方向へ直接踏み出すことが必要となります。
投手が投手板を外さずに1塁へ送球する場合、投手板の上で軸足が踏み変わっても、その動作が一挙動であれば差し支えありません。が、送球前に軸足を投手板の上で一旦踏みかえた後に送球した場合、軸足の投手板上での移行としてボークとなります。
軸足を外した時 5.07(e)
軸足を投手板の後方に外すと内野手とみなされます。その後、塁に送球したボールが悪送球となった場合には、内野手の悪送球と同様に取り扱われます。
両手投げ投手 5.07(f)
投手は、球審、打者、走者に対して、投手板に触れる際にどちらかの手にグラブをはめることにより投球する手を明らかにする必要があります。
以下の状態になるまで、投球する手を変えることはできません。
- 打者がアウトもしくは走者になる
- 攻守交代になる
- 打者に代打者がでる
- 投手が負傷する
投手が負傷し、同一打者の打撃中に投球する手を変えた場合は、以降の投球する手を変えることはできません。また、投球する手を変えるときは準備投球は認められません。
また、投球する手を変える場合は、球審にはっきりと示さなければなりません。
投手にはいろいろと規則があるのですね。覚えるのが大変です。。
今回は公式野球規則に定められている投手のいろいろな規則について見てみました。
- 出典元
- 公認野球規則
- 5.07(a) 正規の投球姿勢
- 5.07(b) 準備投球
- 5.07(c) 投手の遅延行為
- 5.07(d) 塁に送球
- 5.07(e) 軸足を外した時
- 5.07(f) 両手投げ投手
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