QS・勝投手・敗投手・ホールド・セーブとは
どうなってるの? その21
Create:2021/2/1
投手に関する指標はいろいろあります。が、投手と言っても先発投手が完投する場合もあれば継投する場合もあるわけで・・。
投手は野手の指標と異なり、試合の勝敗やどのタイミングで登板したのかにより記録される指標が変わります。
今回は、QS・HQS・勝投手・敗投手・ホールド・セーブについて調べてみました。
防御率とは
投手を評価する際の指標として防御率:ERA(Earned run averageの略) があります。
防御率とは、その投手が1試合9イニングを投げたとしたら何点に抑えられるかを示す数値です。
防御率は数値が低い方が良いとされています。防御率を求める際に自責点を用いるため、自責点が少ないほど防御率も低くなり良いとされます。
※ 防御率の計算式は下記リンクの いろいろな記録を計算しましょう-防御率 をご覧ください。
自責点とは・・
野手の失策や捕逸などが絡まず、投手が責任を負わなければならない失点のことを言います。
安打、犠飛、犠打、刺殺、四死球、暴投、ボーク、野手選択、盗塁により進塁した走者が得点したときに失点とともに自責点として記録されます。
※野手選択は下記リンクの どうなってるの?その9-フィルダースチョイス をご覧ください。
- 出典元
- 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』防御率
- https://ja.wikipedia.org/wiki/防御率
- NPB公式サイト 野球の記録について
- https://npb.jp/scoring/calculation.html
QS・HQSとは
QSとはクオリティスタート(Quality Start:良好な先発) のことで、先発投手が6イニング以上投げ、かつ、自責点を3以内に抑えたときに記録されます。
QSを上回り、7イニング以上を投げ、かつ、自責点が2以内で抑えた場合はHQS:ハイクオリティスタートというQSを上回る指標もあります。
< QS >
- 先発投手が6イニング以上
- 自責点を3以内
< HQS >
- 先発投手が7イニング以上
- 自責点を2以内
- 出典元
- 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』クオリティ・スタート
- https://ja.wikipedia.org/wiki/クオリティ・スタート
勝投手とは
試合に勝った時、その試合で投球した投手のうち1人が勝ち投手となります。1人の投手が完投した場合はその投手が勝ち投手となりますが、継投した場合の勝ち投手はどのように決まるのでしょうか。
野球規則の9.17に『勝投手・負投手の決定』という項があります。
そこには『ある投手の任務中(*)、あるいは代打者または代走者と代わって退いた回に、自チームがリードを奪い、しかもそのリードが最後まで保たれた場合、その投手に勝投手の記録が与えられる。』とあります。
(*)任務中とは
先攻チームの場合は勝ち越した直前の回が完了、後攻チームであれば勝ち越した回の表を完了することを指します。
- 例1:そのチームが先攻で6回表に勝ち越した場合、5回裏まで完了して(投げて)いる。
- 例2:そのチームが後攻で6回裏に勝ち越した場合、6回表まで完了して(投げて)いる。
勝ち投手になるには自チームが試合に勝つことが大前提で、その投手が交代するまでに自チームが勝ち越していている場合にその投手が勝ち投手となります。
が、先発投手と救援投手では勝ち投手になるための条件が異なり、満たさない場合は勝ち投手の記録はつきません。
<先発投手の場合>
以下の回数を完了しなければ勝ち投手の記録がつきません。
- 勝チームの守備が6回以上の試合では5回完了(投球)していること。
- 勝チームの守備が5回(6回未満:コールドゲーム等)の試合では4回完了(投球)していること。
<救援投手の場合>
先発投手が上記を満たさなかった場合には、以下を満たした救援投手に勝ち投手の記録がつきます。
救援投手が1人の時はその投手に勝ち投手の記録がつきます。
救援投手が2人以上の時は勝利をもたらすのに最も効果的な投球を行ったと記録員が判断した投手に勝ち投手の記録がつきます。
救援投手が勝ち投手として記録されるには、その投手が最低1イニングを投球するか、試合の流れの中で試合を決定づけるアウトを奪うことというのが趣旨である。と原注にありますので記録員が判断するときにこの点も考慮されていると思われます。
また2人以上の救援投手が同程度に効果的な投球を行った場合は、先に登板した投手に勝ちを与えるべきということも原注にあります。
上記とは異なり、救援投手が少しの間だけ投球しそれが効果的でなかった時に、続いて登板した救援投手の中にリードを保つのに十分に効果的な投球をした投手がいたときは、前者に勝ち投手の記録をつけず、続いて登板した救援投手の中で最も効果的な投球をしたと記録員が判断した投手に勝ち投手の記録がつきます。
オープン戦やオールスターゲームのような選手権試合でない場合は、先発や救援の区別はなく、勝ちチームが試合の最後までリードを保ったときにはそのリードを奪った当時投球していた投手に勝ち投手の記録がつきます。
ただし、勝ちチームが決定的リードを奪った後でその投手がノックアウトされ、その後投球した救援投手に勝ち投手としての資格があると考えられるときは、この限りではない。とされています。
先発投手に記録される勝利を先発勝利、救援投手に記録される勝利を救援勝利といい、通常、投手の勝利数はこの両方を足した数値を指します。
- 出典元
- 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』勝利投手
- https://ja.wikipedia.org/wiki/勝利投手
- 公認野球規則 9.00 記録に関する規則
- https://npb.jp/scoring/officialrule_900.pdf
敗投手とは
自己の責任による失点が相手チームにリードを許し、その後同点あるいは逆転することなく自チームが敗戦したとき、その投手に敗戦投手の記録がつきます。
試合の途中で同点になれば、その時から新たに試合がはじまったものとし、以降の試合展開により敗戦投手を決定します。
イニングの途中で投手が交代し、交代後の投手が相手チームに点を与えたときに交代前の投手に自責点が記録される場合があります。
- 出典元
- 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』敗戦投手
- https://ja.wikipedia.org/wiki/敗戦投手
- 公認野球規則 9.00 記録に関する規則
- https://npb.jp/scoring/officialrule_900.pdf
ホールドとは
救援投手に与えられる記録でHと略します。
ホールドは試合の勝敗に関係なく記録がつきます。
条件を満たす投手が複数いた場合は、条件を満たした投手全てに記録がつきます。
ホールドは以下条件を全て満たす必要があります。
- 先発投手、勝利投手、敗戦投手のいずれでもなく、セーブも記録されていない。
- 自チームの最終守備イニングの3アウト目をとった投手でない。
- アウトを1つ以上とる。
- 降板したあと、自身に記録された失点により自チームが同点に追いつかれる、もしくは逆転をされていない。
上記条件を満たした状態で、以下のいずれかを満たした投手にホールドが記録されます。
- 自チームがリードしている状況で登板し、以下のいずれかの条件を満たしリードを保ったまま降板する。
- 3点以内リードの場面で登板し、1イニング以上投球する。
- 迎える2打者に連続本塁打を打たれたら同点または逆転される場面で登板する。
- 点差に関わりなくリードした状態で登板し、3イニング以上投球する。
- 同点の状況で登板し、以下のいずれかの条件を満たして降板する。
- 同点のまま失点を許さずに降板する。
- 登板中に自チームが勝ち越した場合、そのリードを保って降板する。
ホールドポイントとは・・
ホールドポイントはホールド数と救援勝利数を足した数値のことでHPと略します。
- 出典元
- 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ホールド
- https://ja.wikipedia.org/wiki/ホールド
セーブとは
救援投手に与えられる記録です。
セーブは以下条件を全て満たす必要があります。
- 勝利チームの最後の投手として登板した。
- 勝ち投手の記録はついていない。
- 3分の1投球回以上を記録している。
- 次のいずれかを満たしている。
- 自チームが3点のリードの時に登板し、最低1イニングを投げた。
- (1)塁上に走者がいる場面で、①その走者か、②走者及び相対している打者、または、③走者と相対する打者およびその次の打者、が得点すれば同点となる状況で登板し、リードを守り切った。
- (2)塁上に走者がいない場面で、①相対する打者か、または②相対する打者およびその次の打者、が得点すれば同点になる状況で登板し、リードを守り切った。
- 3イニング以上投球した。
セーブポイントとは・・
セーブポイントはセーブ数と救援勝利数を足した数値のことでSPと略します。
- 出典元
- 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』セーブ
- https://ja.wikipedia.org/wiki/セーブ
- 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』セーブポイント
- https://ja.wikipedia.org/wiki/セーブポイント
- 公認野球規則 9.00 記録に関する規則
- https://npb.jp/scoring/officialrule_900.pdf
今回は、QS・HQS・勝投手・敗投手・ホールド・セーブについて調べてみました。
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